パンダのよりみち

~ 夫婦で過ごす人生アレコレ ~

【メンタル】大切な人が「うつ」になったら、すぐに考えておきたいこと

f:id:sunpanda:20200622222002j:plain

こんにちは。日パンダです。
 

今回は、私の奥さんが「うつ」になった時に、

知っておきたかったことを紹介します。

 

うつになった本人がどうすればいいか。

という情報はネットにあふれていますが、

 

「うつになった人の、身近な人」が

どう対応すればいいのか。

という情報は少なく、

当時は私にも混乱と疲れがありました。

 

今回は、この「身近な人側」

つらさをやわらげる一助になれば幸いです。

 

 

日パンダ、及び奥さんの状況

日パンダ:社会人6年目

奥さん:社会人1年目

 

奥さんが学生だったころから

遠距離恋愛を開始し、

卒業と同時に結婚、同居しました。

 

 これから私たちの

幸せな結婚生活が始まるんだ!!

 

 

・・・ということもなく、

奥さんは仕事が始まった

4月から全く元気がありません。

職場における一部の人の

きびしい雰囲気に圧倒され、

メンタルがやられてしまったのです。

 

 

 

そして奥さんは毎日泣くのは当たり前、

不眠にもなり、ボーっとしている時間が増え、

感情の起伏が激しくなりました。

 

最愛の人があっという間に

人が変わっていくので

驚きと悲しみが襲ってきますが、

そんな時こそパートナーである

私ができることを考えて、

行動しなければいけませんでした。 

 

 

私はそんな状況でした。

ということで、

これから以下に記載することは

実際に私の支えとなった考え方や行動ですが、

私は精神科医でも

カウンセラーでもありませんので、

医学的に良いも悪いも分かりません。

 

 

しかしながら、

のちに奥さんに「あれは良かった」と喜ばれ、

担当カウンセラーにも良いとされたこと、

褒められたことを記載しますので、

参考になれば嬉しいです。

 

 

 

①まず、専門家を頼る気持ちを持つ

自分一人で背負い込まない

f:id:sunpanda:20200622223626j:plain

「大切な人のことなのに人に任せるのか。」

と思った方には、

特にこの項目に注意していただきたいです。

 

世間では「うつ」

心の風邪」と比喩されますが、

風邪なんて生易しいものではありません。

普通の成人は風邪で生死の心配はしないですよね。

 

ところが、「うつ」では衝動で

命を絶ってしまう可能性がありますので

なかなか気が抜けません。

 

 

とはいえ、日中や夜中まで

目を光らせておくなんて不可能ですから、

初めから1人で出来ることには限界があります。

 

ですので、完璧に看病することは

土台不可能なことですから、 

肩の荷は降ろして、

周囲を頼る気持ちでいきましょう。

 

 

 

カウンセラーに相談させる

f:id:sunpanda:20200622224122j:plain

人の悩みの9割は話すことで

解決するそうです。

【以下、精神科医「樺沢紫苑」先生談】

 

人は自分がなぜ苦しいか。

何に悩んでいるかに気付いていないから。

話すことで頭の中の情報が整理され、

真の悩み、問題点、解決法を

自分自身で発見できるから。とのこと。

ならばパートナーや家族が

話を聞けばいいじゃないのか

ということになりますが、

「聞いてあげる」ことが大事なのです。

 

後述しますが、

「意見」や「解決策」は

求めていないのです。

ここが難しいので第三者、かつプロに

相談に乗ってもらう必要があります。

 

 

ちなみに、私の言う「カウンセラー」は

大学で数年かけて学ぶことによって資格を取得した

臨床心理士公認心理師の方を指しています。

 

上記の資格がないと

ダメだという訳でありませんが、

カウンセラーは民間資格が多く存在し、

大学にも行かず、名乗ったもの勝ちな

ところが見受けられます。

 

人とのやりとりなので、

合う合わないが重要なところもありますが、

臨床心理士公認心理師の方ですと、

一定以上の専門性を有していますので、

その方々の中から選ばれたほうが

より安心できる確率は増えると考えています。

 

 

 

必要とあれば精神科にも連れて行こう

f:id:sunpanda:20200622224344j:plain

カウンセラーとの相談結果、

または衝動的な行動(自傷行為)、

身体的な症状(拒食・過食・不眠)が

見受けられるようになったら

すぐにでも病院に連れて行きましょう。

 

「うつ」は人が毎日分泌する

セロトニンノルアドレナリン等の

物質が分泌されにくくなり、

減ってしまうことが

原因の病気なのですから

愛や気合などの精神論では

どうしようもありません。

 

 

運動や日光を浴びるなどの

改善方法がありますが、

「今すぐに」対処が必要な状況においては、

初めは薬で成分を補助しなければいけません。

 

 

奥さんの場合も、精神科に行き、

薬でかなり衝動的な気持ちを和らげてもらい、

わりと落ち着いて過ごしてくれるようになったので、

私が安心して仕事に行くことができるようになりました。

 

薬が無いころは毎日いつ、

どうなるか・何をするか分からず、

ひやひやものでしたので。

それだけでも大きな前進があったと感じています。

 

 

 

②何をしてあげるのが良いか

ゆっくり、しっかり、休養させる

f:id:sunpanda:20200622224700j:plain

何よりも休養です。

寝たいなら寝させる。

私たちは決して無理に

外へ連れ出そうとはしてはいけません。

「外に行く?」なんて聞いてもいけません。

 

気分転換だからとか、

家で悩んでいても仕方ないとか、

元気な人側の気持ちやペースでは動けません。

 

外に連れ出して

余計に疲れてしまうのは

想像できると思いますが、

断られたとしても、その断ったりするのにも

かなりの罪悪感を抱かせたり、

エネルギーを消耗させてしまうのです。

 

 

「必要なことがあれば言ってね」

ぐらいの声掛けをした後は、

近くで楽しく読書でもしながら

そばにいてあげましょう。

 

 

 

自分の常識や価値観を押し付けない対話・傾聴

f:id:sunpanda:20200622225116j:plain

前述しましたが、

人の悩みの9割は話すことで

解決するそうです。

 

だから話かけられたときは

積極的に対話をすべきなのですが、

関係が近い人は、近いだけあって、

「なんとか少しでも良くなってほしい」という

思いがでて、価値観を

押し付けがちになってしまいます。

 

 

特に私は男性なので、

すぐに「ああしたら?こうしたら?」などの

解決策を考えようとしてしまいますが、

そんな案を実行したいのは

本人が一番わかっています。

 

わかっていても

実行する意欲がわかず、

できない自分に悩んでしまい、

さらに病気からの回復が遅れていくのです。

 


ですから、何か言いたくなっても

グッとこらえて見守る姿勢をとりましょう。

 

 

 

もし、ちょっと聞くのがつらくなってきたら

「ちょっと聞くの中断していい?

 あと○○分後にまた話そう」

と聞いてみたり、

家事やトイレに行って

少し間を置きましょう。

ちょっとの間でお互いの気分が変わります。

 

 

 

大きな決断をさせてはいけない

f:id:sunpanda:20200623215646j:plain

「うつ」は病気なので、

その時の言葉や感情は

一時的な場合があります。

 

だから聞き流せばいい、という訳ではなく、

聞きながらも対処できることはないのかを

考える必要があります。

 

 

つらい状況を改善できないという

もどかしさはありますが、

「うつ」の間は物事の見方や考え方が

悲観的で判断力も正常ではありません。

 

転職や離婚、さらには大きな買い物などの

人生を大きく変えてしまうような決断は

後悔につながりますので

先延ばしにするようにしましょう。

 

 

 

仕事なら休職や配置転換、

離婚の前には別居といった、

少し考える時間を

取ったほうが良いかと思います。

 

もちろん周囲の人や、カウンセラー、

医者などと相談し、

本当に切羽詰まった状況でしたら

この限りではありませんが。

 

 

 

③何よりも自分の心を疲弊させない

すぐに治るものではない・元通りにはならないと知る

f:id:sunpanda:20200623220416j:plain

勘違いしがちな項目ですが、

身体の風邪や骨折などと違い、

基本的に「うつ」は一度なってしまうと、

完全に元通りには戻りません。

 

 

休養が必要ですし、

休養期間も人によって様々です。

「うつ」になったきっかけは、

はっきりと分かっていても、

それを乗り越えたら治る

というものでもありません。

 

 

その証拠として

「うつ」からの回復した状態を

完治と言わずに、

寛解(かんかい)」と呼びます。

 

 

寛解とは、

病気による症状が良好な状態で

コントロールされている状態を指します。

 

 

良好な状態でコントロールされている、

ということの例として、

視力を挙げさせて頂きます。

 

視力もいったん悪くなると

元通りにはなりませんよね。

(レーシックはさておき)

 

 

ですが、メガネやコンタクトなどの

矯正道具を使うと

視力は良好な状態にできます。

 

だから矯正道具を使用している普段は

視力に悩むことはないと思いますが、

メガネなどが無くなると再び困ります。

 

 

こんな状況が「うつ」でも

同様に起こりうるのです。

薬が無くなったり、

発症した時と同じような

状況や環境に置かれた時は

注意が必要になりますが、

 

そのほかの時に、

以前とそれほど変わりない

行動、認知ができる状態にあることを

良好な状態でコントロールできている。

=寛解している。といいます。

 

 

 

さらに治療の時間経過による加齢や

価値観の変化もあります。

年をとると、若い頃よりは落ち着いてきたり、

価値観に関しても

「うつ」を経験することで

見えている世界が大きく変わります。

 

そのため、寛解した頃には

以前と考え方が変わるので、

元通りということを

期待するのは難しいです。

 

 

 

気合を入れて接しようとしない

f:id:sunpanda:20200623221857j:plain

繰り返す様ですが、

「うつ」寛解には時間がかかります。

 

それに必要な時間も分かりませんし、

数年かかっても寛解すれば良いぐらいです。

奥さんもまだまだ薬を飲みながら

調子を整えています。

 

それでも調子の良い時もあれば

悪い時もあります。

(最近では悪くても死ななければいいか、

 ぐらいの気持ちになっています。)

 

 

残酷で厳しいようですが、

寄り添うことはできても

あなたによる直接的な行動で

治すことはできません。

 


例えば奥さんの

発症のきっかけは仕事ですが、

過去のトラウマや本人の価値観など、

原因に含まれるものが

多種多様に入り乱れており、

仕事を辞めれば、怖い人がいなくなれば、

 

といった原因だと思うものを

取り除けばすぐ治るなんて

単純なものではありません。

「そういうものか。」

と、力を抜いていきましょう。

 

 

 

あなた自身が疲弊しないよう、あなたがカウンセラーなどの第三者へ相談する

f:id:sunpanda:20200623223401j:plain

個人的にはこの項目が一番大事だと思っています。

 

 

自分の接し方に自信が持てず、

また、色々気にし続ける

生活にも疲れてしまい、

「これは自分もやられてしまう。」

と思い、奥さんの担当カウンセラーと

相談しました。

 

私の場合は、個別に時間を取らず、

奥さんの持ち時間の60分の内、

10分だけ私とカウンセラーの人と二人で

話をさせてもらいました。

(奥さんを部屋の外で待たせるので、

 もちろん奥さんの調子が良い時のみですが。)

 

 

三者であり、プロですので、

自分がしたほうが良いふるまい方や、

接し方を教えて頂けただけではなく、

「自分のつらさを

 分かってもらえる人がいる」

ことが実感できました。

 

また家族や友人には相談しにくいことも

「何を話してもいい」という状況は

それだけでとても心強いものになりました。

 

 

 

まとめ

f:id:sunpanda:20200628103202j:plain

大切な人との心の距離が

近ければ近いほどつらいですよね。

 

でも、そんな時だからこそ

自分のことも大切にしてあげてください。

 

 

カウンセラーと相談したときに感じたことですが、

自分が思っている以上に、

自分(=身近な人側)も疲弊しています。

大切な人がつらい時だからこそ、

自分の心にゆとりを持つことを意識していきましょう。

 

 

以上、最後までお読みいただき、

誠にありがとうございました。